XFA-27のチラシの裏

電子工作とオーディオとガジェット

クラシックマウス"Ca.161/bis”の紹介

これはWMMC Advent Calendar 2023の18日目の記事です.

しかしダラダラしてたら日付が変わってしまいました,ごめんなさい...

 

昨日は卓輝君の「ある大阪人のはじめて料理奮闘記」でした.後半の料理はちゃんと料理になっていて,成長が感じられますね.僕は実家暮らしなので偉そうなことは何も言えませんが,レンチンでパスタ茹でてペペロンチーノとか,豚肉と野菜を炒めて焼肉のタレorミックススパイスとかが楽でやりがちです.

 

今日明日は太郎君の「悩める貴方様に」です.哲学っぽい本が何冊か紹介されています.最近は技術系とTwitter以外の文章を全く読まなくなってしまったので,見習って何か読もうかと一瞬思いました.

 

今シーズンのクラシックマウス機体 "Ca.161/Ca.161bis"

さて,今回は今シーズンの僕のマウスについて紹介して,主にDCマウス初心者の参考になればなぁという記事です.この機体は4年前に設計を始めて2年前におおよそ完成し,今年の金沢草の根大会で初めて完走しました.色々課題はあるものの,僕にとって初めてのDCマウスで,東日本大会では10秒切りのタイムを出すなどそれなりに走るようにはなったかなという印象です.

機体名の由来はイタリアの高高度飛行記録を持つ飛行機で,マウサーは宇宙を目指す習性があるのでその一歩として,という意味で付けました.が,そういうレベルでマウスをやると辛いだけな気がしてきたので,もう二度とこんな名前は付けません...

基本設計は同じままマイナーチェンジで3機作ったので,2機目は「改良型」を意味する「bis」を付け,3機目はネーミング切れでそのままです.9~11月で3台作ったので月イチのペースで機体を作っていて,12月は新機体を作っているので,未だそのペースを維持しています.(流石にもうやりたくない)

回路図データ

 

設計思想的なもの

回路は先輩の機体("ぐでたまうす"と"道標 現"),ソフトはサークル標準機体からできるだけ流用して,ハードだけ強い人のを真似て手っ取り早く速い機体にしたいという安易で考えで設計しました.速い人の中でも比較的オーソドックスな4輪吸引機としてなおフィスさん,そらさんの機体を意識していた気がします.

それと,当時近くで見ていた先輩の機体の難点だと思った点を改良しようと思って
・横壁に当たっても引っかかりにくく前壁に当たると姿勢が補正される機体形状
・吸引力の確保(ファン径とファン穴径を大きく取る)
・センサ配置は無難でシンプルなもので,壁に接触するまで飽和しない位置
を意識しました.これは概ね間違っていなかったと思います.

 

各機能について

マイコン周り

ぐでたまうす」のほぼ丸パクリ.STM32F405のデータシートのサンプル回路準拠だったと思います.マイコン選定もみんな使ってて無難そうだから.始めのうちはマイコンの性能差で差が出ることなんてないので,とにかく引っかからずに開発が進みそうな無難部品選定がおすすめです.先輩と合わせる,サークル標準機体と合わせる,Pi:CoやHM-Starterと合わせる,など.

電源周り

ここはオリジナル選定.Li-Po 2S → LD1117 5V/800mA → NJM2884 3.3V/500mAh で,秋月で買えてサイズが小さめで電流に余裕があるものを選びました.高輝度LEDをビッカビカに光らせても問題なく,電源関係のトラブルは全くありませんでしたが,発熱は結構あります.

センサ

サークル標準機体とほとんど同じ.フォトトランジスタL-51ROPT1D1,赤外線LEDがOSI5LA5113Aで,どちらも秋月で売っているものです.センサの個体差のためか特性がイマイチだったので機体に組み込んでから分圧部分の抵抗値を変更して調整したら良い感じになりました.AD値は壁2枚先で300程度,壁1枚先で1500程度,壁に接触した状態で3500程度.

センサの配置は,機体が柱の位置にいるとき横壁の区画中央が見える位置と角度.前壁センサに角度付けて斜め壁制御するやつはまだやってないので分からん.

IMU

ICM-20689をデータシートのサンプル回路通りに使いました.このIMUはフィルタが内蔵されているとかで初心者にも使いやすいみたいです.側面パッドなのではんだ付けは難しいものの,細めのコテ先でフラックスをたっぷり使えば普通に付けられると思います.

モータ周り

これもデータシート準拠.配線しやすくするためにモータのコネクタのピンアサインを変更しています.ミスるとエンコーダを焼くので,最初の動作確認のときにはモータ電源を5Vにしておけば安心です.

インターフェイス周り

LEDとかスイッチとか.UARTは秋月のFT234Xシリアル変換基板をそのまま挿せるようにしています.ST-LINKは省いてしまったのでデバッガは使えません.分圧は1/3なので一応3セル対応.

回路的にほぼ同じなのでまとめちゃってますが,ブザーと吸引ファンはFETでスイッチング.吸引ファンは数A流れて発熱がすごいので,TO-252の大きめのものにしました.これならモータが焼け死ぬまで回してもFETは無傷です.


 

吸引

ファンは雰囲気設計で直径31mm,高さ8mm.モータはアリエクで買った1020コアレスで,Duty100%だと吸引力1.1kg出るものの5秒で焼け死ぬので実用はDuty50% 吸引力500gぐらいまで.それでもかなり吸える方みたいですね.

スカートはあささんの機体を参考に一次スカートが3Dプリント製の枠,二次スカートが秋月の青チャック袋.地上高2.5mmぐらいで一次スカート0.8mmですが,非吸引時に路面に擦らず吸引抜けもなさそうなので割と上手くできたと思います.

 

足回り

構成は無難な4輪ですが,モータマウントの設計が悪くてどうにもターンが左右で違ってしまいます.これに発狂してこの機体は放棄,新機体作成になった訳ですが,考えられる要因はこんな感じ.
・モータマウントのモーターはめ込む部分が薄すぎて変形しやすい.
・吸引ファンマウントはモータマウントを広げる方向に力をかけるが,機体後部にはモータマウントどうしを繋ぐ部材がないので,モータマウントが傾く.
・車軸の位置決めのためにモータマウントの穴をキツめにしたが,このせいで軸のネジをねじ込む状態になり,ねじ込み具合によって車軸に角度がつく.
・光造形3Dプリント製のギヤホイールが微妙に精度が悪く,僅かに傾いているものがある.

新作ではアルミ切削のモータマウントを使うことでこの問題をおおかた回避する予定.樹脂3Dプリントでもちゃんと走ってる人もいるので上手い作り方はそういう人に聞いて...

 

その他

それ意外で気にしたことはこんな感じ.
・バッテリーの搭載位置を設計段階で決めて,ホルダー的なものをつける.
・LEDの色とファンの色を揃えて統一感を出す.(学生大会verではファン変更により失敗)
・ケーブル長を最低限にする.(1717のケーブルがぐるぐる巻なの格好悪いよね,切ると不可逆要素になるので悩みどころだけど)

 

新作について

この前の記事でも触れましたが,Ca.161bisは足回りの問題のためにターン調整が困難なので,全日本大会に向けて新作を作っています.回路は全く同じで足回りを2輪に変更,モータマウントをアルミ切削でファンマウントをPCBで作成する予定です.部品は全て発注済なので早ければ年内には組み立てられると思います.

設計開始→発注終了まで4日でやったので何かしらミスってそう...

機体名は"Nightfall",由来は今年ハマったゲームのアーマード・コアⅥに登場する機体から.サークルの先輩にして旧機体のパクり元のぱわぷろさんも似たような構成の2輪吸引機"道標 暁"を作っていて,暁とNightfall(夕暮れ)が対っぽいことに気づきました,狙った訳ではない.

 

今年のアドベントカレンダーは枠を埋めるために3記事も書きましたが,その分クオリティも薄まった感じになってしまった気がします.来年はちゃんと枠が埋まるくらいにみんな記事を書いてくれると嬉しいなぁ...

学生大会2023の感想

これはWMMC Advent Calendar 2023の14日目の記事です.

昨日はジャッジーさんの「お家選び難しい」でした.

 

東京以外の就職先に決まったら来年自分も同じ状況になる訳ですが,まず貯金が無さすぎて詰みそうです.やばいやばい...

 

今日の記事は先日の学生大会の感想ですが,気力不足のため短めです.就活も研究も大してやってないのに()

 

全日本学生大会

先週12/10に東京工芸大学で開催されました.この前の東日本大会と同じキャンパスでの開催でしたが,今回は崖の縁の体育館が会場で,2019年の学生大会でマイクロマウス始めたばかりの頃を思い出しました.運営の工芸大の皆さんありがとうございました,運営しながら戦績出してる人々はなおさら尊敬するところです.

 

自分の結果

1717モーター搭載の機体"Ca.161bis"を出して,結果は探索のみ完走でタイムは56秒604でした.大会前の週の水曜頃までは安定して最短走行が走っていたものの,毎度おなじみ直前トラブルでピニオンギヤが滑り,その修正のために足回りを組み直したらターンの挙動が変わってまともに走らなくなりました.モーターマウントと車軸の固定の部分の設計が悪く組み直すだけでタイヤの位置と角度が微妙に変わってしまうので今の機体はトラブルに弱すぎます.こんなんやってられるか.

 

WMMCの結果

T.Kimura君はいつも通り大活躍でクラシック優勝,ハーフ2位でした.ハーフの新作が最短走らなかったのが残念ですが,まあ流石ですね.

普段は彼だけすごいWMMCですが,今回は他の皆さんもなかなか頑張っていて,新作DCマウスを出していたたなぽーと君含め全員が完走していました.それ以外はステッパーの標準マウス・Nucleoマウスでしたが,全員が最短走行まで成功させていて,スラロームを実装していた4名はスラロームでの探索と最短ができていました.一昨年の学生大会の完走率が半分しかなかった危機感から生まれたNucleoマウスはその役目を果たせたようで良かったです.自分以外みんな最短決めてて偉いですね...うん...

その辺の成果を評価されて,WMMCは団体特別賞を頂きました.副賞はオリエンタルモーター5万円分だっけか,やったね.表彰理由の説明でNucleoマウスで初心者の敷居を下げたという話で自分の個人名が出たのが割と嬉しかったです,これまで賞の類を何も取ってないので...

 

 

全日本大会に向けて

今の機体の組み直すと毎回挙動が変わる足回りに発狂したので,完全新作を作ります.旋回の再現性に苦労したくないので2輪にしようということで3日で設計したのがこちら.足回りはアルミ切削でJLCPCBで外注.勢いで部品も全部発注したけど動くかは知らん.耐えろ...

 

という訳で,学生大会でWMMCは活躍したけど僕は発狂して新作作り始めた話でした.全日本大会で会いましょう!(オンライン認定大会も告知されたし)

https://x.com/xfa273/status/1734977446620111001?s=20

https://x.com/xfa273/status/1734296609847157074?s=20

com/xfa273/status/1734296609847157074?s=20

マイクロマウスを持ち運ぶケースを作る

昨年のアドベントカレンダーからブログを放置していました,XFA-27です.学生大会前日につき調整をしていましたが,突如として妖怪ピニオン滑りが発生したのでメタルロックが固まる間にこの記事を書いています.

吸引モーターを変更したら吸引力がめちゃくちゃ上がって数秒なら1.1kgぐらい吸えるようになりました(その後モーターが焼けた)が,ソフトその他がクソ雑魚なので全く活用できていません.何ならこの前の東日本大会より遅くなりそう...

 

それはそうと

 

これは  WMMC Advent Calendar 2023の8日目の記事です.

昨日はぱわぷろ@ラボさんのETロボコンの紹介でした.共通ハードを使ってソフトウェアの内容を競うロボコンだそうで,ハード性能でどうにかしようとしがちな僕がやるべきものな気もします.

 

マイクロマウスの運び方

マイクロマウスの機体は自宅とサークルの活動場所,そして大会会場などの間で持ち運ぶ必要がありますが,それなりに精密なロボットなので雑にカバンに放り込むと壊れたり調整が狂ったりします.

そこで多くの人はちょうど良い大きさの容器を探して機体ケースとして使っているんじゃないでしょうか.100均で売っているケース(多分DVD用)やタッパー,弁当箱などをよく見かけますが,今回はもう少し頑張って,機体や周辺機器をぴったり仕舞えるケースを作ってみました.まあ大会で割と見かけるやつなので新規性はないですが,記事としては見当たらなかったので一応書いておこうかなと.そもそも今日はカレンダー埋めるのが主目的だし.

 

やりたいこと

機体を持ち運ぶケースに欲しい機能は
・それなりに頑丈で,ケース単体で持ち運べる
・機体と周辺機器(バッテリー,書き込みケーブル,ホコリ取り用のテープ)が入る
・ケース内で機体などが動かない
辺りだと思います.これを満たせるケースを作っていきます.

 

買ったもの

Amazonで売っていた安くて小さなアルミ製のケースと良い感じに切れ込みの入ったスポンジのブロックを買いました.ブラックフライデーの割引込みで計2700円ほど.雑に検索して雰囲気で選んだのでもっと良いものがあるかもしれませんが...

 

作り方

アルミケースには内側に緩衝材が貼ってあり中央に仕切りが入っていますが,今回は内側にスポンジブロックを詰めるので仕切りは外しておきます.

まずケースの内寸を測って,ぴったりか少し大きいぐらいにスポンジブロックを切って,ケースにはめ込みます.スポンジブロックはカッターナイフで簡単に切れます.

次に,スポンジブロックの内側に機体や周辺機器がぴったりはまる大きさの切り欠きを作ります.スポンジブロックには10mm刻みぐらいの切れ込みが入っているので,これを指でちぎり取れば簡単に切り欠きを作ることができます.

それができたら,一旦スポンジブロックをケースから外し,スポンジブロックの底面・側面に両面テープを貼ってからケースに戻します.これでスポンジブロックがケースに固定されます.

最後に,機体などの高さに合わせて底面にスポンジ辺を貼り付けて調整します.このスポンジ辺は切り欠きを作るためにちぎり取って出たものが使えますし,サイズが合わなければ余りのスポンジブロックから切り出します.

これで基本的には完成ですが,フタ側にスペースの余裕があれば,マジックテープを貼っておけばケーブルのタイ部分にくっつけて固定できて便利です.また,スポンジブロックとフタの隙間の高さを調整すれば,テープを入れたときに中で動かなくなるので,これも便利です.各々の入れたいものと機体のサイズに合わせてうまく調整すると良いでしょう.写真の例では,マジックテープを貼るのに邪魔だったのでフタ側の緩衝材は剥がしていますが,あまり見た目が良くないですね...

 

まとめ

小さなアルミケースと切込み入りスポンジブロックの組み合わせで良い感じのマイクロマウス用キャリングケースが作れました.アルミではなく樹脂製のケースも売っているので,軽くしたい人はそっちの方が良いかもしれません.
走行中のクラッシュが原因ならともかく,輸送や保管で無駄に機体を壊すと開発が滞ったりモチベが蒸発したりするので,ちょうど良いケースを用意して防げると良いのかなぁと思います.

 

明日はT-MPI 電気しらたき 君の「アドベントカレンダーなんもわからん」です.お楽しみに.

機械科の新入生が買うPCについての個人的まとめ

大学に入学する新入生がPCを買う時期だと思います.もう買っちゃった人もいるかもしれませんが,機械工学科をちょうどこの春卒業する者として,アドバイス的な何かをまとめておきます.

全て僕の個人的お気持ちなのでこれを参考にしてどうかなっても知りません.質問ぐらいはTwitterで答えますが...

 

学科が言ってくるであろうスペック

学科からの推奨スペックは恐らくこんな感じかと思います.

CPU: Intel Core i5 or AMD Ryzen 5 以上
RAM: 16GB 以上
ストレージ: SSD 256GB 以上
画面: 12インチ以上,720P(HD)以上
重量: ~2kg 程度
OS: Windows10

 

個人的におすすめしたいスペックと理由

上記の学科推奨スペックは基本的に授業で使うソフトがそれなりに動くことを目安に決められていると思われ,弊学科では

SolidWorks(3D CAD),AutoCAD(2D CAD),Maple数値計算ソフト),MATLAB/SimuLink数値計算/シミュレータソフト),Microsoft Office,Zoom

辺りです.

実際,これらを単体で使う分には恐らく問題ないはずです.ただ,実際には複数を同時に使ったり,趣味やサークル,バイトなどで他のソフトを使ったりすることになります.また,4年間を1台のPCでやっていく場合,3~4年後にはPCが陳腐化してきて使うソフトが重くなったり,卒論でもっと重いソフトを使ったりするかもしれません.

あと,一部の授業では使うソフトが速く動作した方が成績取るのに有利(CADの時間制限付き実技テストみたいのがあったらしい)な場合があるかもしれません.

 

こうしたことまで考えて,それなりに余裕のある性能のPCを買おうという場合は以下をおすすめスペックとしたいと思います.

CPU: 12世代以降のIntel Core i5/7 末尾P型番(i7-1260Pなど)
         6000番代のAMD Ryzen5/7 末尾U型番(Ryzen7 6800Uなど)
RAM: 32GB 以上
ストレージ: SSD 512GB 以上(できれば1TB)
画面: 13~14インチ,1080P~1440P(FHD~WQHD)
重量: ~1.5kg程度
OS: Windows10/11
その他: USB PDで充電できる,USB-Aがある

 

理由はそれぞれ

<CPU>
性能と消費電力のバランスからTDP28W系のCPUが良いです.15W未満の低電力版は性能がちょっと怪しくて,45W以上のものは主にゲーム用なので電池の減りが厳しくなりがち.
世代についてはIntelの11世代まではCPUが4コアで少し弱く,AMDの5000番代まではGPUが弱めなので,Intel 12/13thかRyzen6000を選んでおくと性能に余裕が出て快適かと思います.
あと,ゲーミングPCなどでGPUが別にのっている機種もありますが,最近のオンボードGPUは優秀なので不要と思います.dGPUは上手く使えば強いですが電池バカ食いなので...

<RAM>
専門系の重めのソフト(CADとか)と事務系のソフト複数(例: WordとExcelWebブラウザ)と常駐させたいソフト(メール,LINE,Discordなど)を同時に開いておくと16GBは結構すぐ使い切ります.OSはメモリ足りなくなってくると節約し始めるので勝手にタスク落とされてたりして鬱陶しいし,32GBあった方が快適です.逆にそれ以上は普通使い道ないので不要かと.

<ストレージ>
授業で使うソフトとデータで256GBが埋まると思って良いので,私的なデータとかサークル関係とかも入れるなら512GBは必要です.容量いっぱいでアンインストールしたソフトをまた使いたくなると面倒だし,卒論とかだと実験データの画像・動画を沢山扱う機会もあるので,できれば1TBをおすすめします.

<画面>
12インチはCAD関係で目が辛いし,15インチ以上は持ち運びが辛いでしょう.15インチのすごく軽い機種(LG gramとか)なら全然有り.
720Pは複数ソフトを並べて表示するには解像度不足で,4Kは細かすぎて見えないので学業的には無意味です.映像や写真は綺麗だけど.
あと,最近は16:9より縦長の画面の機種が増えていて,縦スクロールのコンテンツ(要するにWebと文書)が見やすいのでおすすめです.

<重量>
基本的に毎日持ち歩くので,スペック満たせる中で軽めの選んだ方が肩のためです.

<OS>
ソフトの動作確認が怪しいから学科的にはWindows10が推奨らしいですが,実際にはちゃんと動くのでWindows11でも問題ないです.個人的にはWin10の方が好きだけど.

<その他>

USB PDがあれば軽い充電器が使えます(後述).USB-AはUSBメモリ以外にも授業で使うマイコンボードを接続したりとまだまだ必要です.HDMIはたまにしか使わないから変換でも良いと思う...

 

その他おすすめ周辺機器

<USB PD 充電器>

最近のノートPCのほとんどはUSB Type-C Power Delivery(PD)という規格によってUSB-Cポートから充電できます.これを使うと小さくて軽い充電器が使える他,スマホも急速充電できるので便利だし荷物を減らせます.

こういうやつ

<モニター>

家で作業するときは外部モニターを使うと効率UP,というか全部ノートPCでやってると目と肩が死ぬ.

27インチWQHDか31インチ4KでUSB-Cのケーブルで繋げるやつがおすすめ.

 

で,結局なにを買うんだ?

上で挙げた要件を満たす中で好みだったり安いやつだったりを買えば良い訳だけど,考えるのすら面倒な人にはこれをRAM32GB/SSD1TBにカスタマイズして買うをおすすめしておきます.

無難に良さげだと思う.

 

ちなみに僕が使ってるノートPCはThinkPad P14s Gen2で,

i7-1165G7,Quadro T500,RAM48GB,SSD1TB,14インチFHD,1.4kgぐらい

です.無駄にdGPUがのっていてCPUが1世代古い(買ったときはまだ最新だった)こと以外はおすすめスペックを満たしています.今だったらもうちょっと軽いのが欲しいなぁ...

 

追記: 生協PCってどうなの?

結論から言うと,PCをぶっ壊すような使い方をしたい人PCをぶっ壊しそうな人にはおすすめです.

おすすめスペックは満たしていないですが,学科推奨スペックは確実に満たしていて,何より無限に頑丈です.
そもそもLet'sNoteは異常に頑丈なのでそうそう壊れない上に4年間のつよつよ保証付き.基本的にどんな壊し方しても激安で修理できるので,ロボットに積んで使いたい人とかには超お得かもしれません.

逆に,普通の使い方なら普通のPCは壊れないので,同じくらいの値段で性能の強い機種を自分で買った方が快適だと思います.

 

以上,参考になれば良いかなぁという個人的なPCのおすすめスペックの話でした.
来年度は修士学生として大学やサークル(WMMC)に居るのでなにか機会があればぜひ?

 

 

2022年の振り返り

晦日ぐらいは研究室行かなくて良いかぁってことで家に居ますが,20時間ぐらい寝た後やることがないので,年末らしく今年の振り返りを書いてみようと思います.

 

今年の目標はどうなったんだ??

 

 

今年の元日こんなツイートをしていました.

・学業
・サークル
・趣味
・生活

って感じで目標を立てていた訳です.

僕は絶望的に意思の弱い人間なので,多少なりとも義務感を生み出そうとこういう目標をツイートしています.マウス関連だと煽ってくれる人もいたりしてモチベ維持に役立つかもしれませんし.取り敢えずインターネットに放流.

それぞれ振り返ってみます.

 

学業: 卒論書く

これは卒論を書く(物理)というより,卒論を書くために必要な単位を取り損ねないという意味で言っていたので,その意味では達成です.

それに,あろうことか大学院への推薦も貰ってしまったので,院試も回避できました.GPA2.22しかなかったのに.やはり総機の必修落単上書き制度は素晴らしいですね.

そして一応一文字でも書けば良いだろうということで,「卒論(仮).docx」を作成して,最初の一行だけ書いてみました.これで完全に達成.

達成度 100%

 

サークル: DCマウスを大会で完走させる

これは非常に微妙な感じです.リアル開催された大会でDC機体「Ca.161」を出したのは2月の全日本大会と10月の東日本大会ですが,どちらもリタイアしています.

しかし,東日本大会で設置されていた過去の大会の迷路では何とか完走して,オンライン開催の北陸信越大会では認定証を確保できました.まあ半分達成という感じでしょう.

来年こそはリアル大会で完走させて,スラローム探索ぐらいまでは安定して走れるようにしたいですね.秋になっても超信地ばかりしてたらがっつり煽ってください.

達成度 50%

 

趣味: 他人のカスタムIEMを製作する.

これは完全に達成です.モニターを募って練習しようかなというツイートをしたところ,ありがたいことに有料でも作って欲しいという方がいて,Twitterを通じて数人の方のカスタムIEMを販売させていただきました.

↓ 一例(8BAにスタビウッド,7万円ぐらいでした)

卒論で忙しくなってしまい,シェル再製作をお待たせしている方もいるので,その辺も片付けたら2月以降また製作再開するかもしれません.

ユニバーサルのイヤホンやリシェルもいくつか製作しましたが,そのうちの一つがeイヤホンに売られて中古出品されるという珍事?も.情報いっさい無しの自作イヤホンに大手販売店が2,400円を付けて,それが一日立たずに売れたというのは結構嬉しいことです.下手な中華よりまともな値付けだし.

 

達成度 100%

 

生活: 借金を残さない.

はーい全然ダメ!!.PCの分割は完済しましたが,iPad miniを分割で買ったしPCの部品も一部分割にしちゃったので,来年にがっつり借金を残してます.去年末に残っていた額と今残っている借金がほぼ同額なので,まあプラマイゼロでセーフということに...

達成度 0%

 

まとめ

達成度は総合で62.5%でした.まあそれなりかな.

 

来年の目標

・学会発表する
・DCマウスで自分のステッパーのタイムに勝つ
・自作イヤホンの使用頻度でAirPodsProに並ぶ
・借金を減らす

学業

修士のうちに一回は学会発表が必要で,順調にいけば夏ごろのRSJとかに出すらしいです.モノ作るだけじゃなくちゃんと理論を立てなきゃなぁ...

サークル

速いマウスを作りたくてDCモーターと吸引載せてるので,せめて自分のステッパーに勝てなきゃ意味がないですよね.まずはリアル大会完走からですが.

趣味

先月AirPodsPro(2nd Gen)を買ったんですが,めちゃくちゃ使い勝手良くて使用頻度が爆上がりしてます.もはやCIEMたまにしか使ってない.
これでは勿体ないので,TWS化アダプタと組み合わせて毎日使いたくなるようなイヤホンを作りたいですね.できれば電装部分も内蔵して無線CIEM作りたいですが... 技適的に怪しいのでこれは夢の中で.

生活

まずは一歩から,新しい分割払いを増やさないようにしたいと思います.まあPCとかは分割してでも良い機器買って生産性上げた方が良いってのもありますが.

 

 

では今年も皆さんお疲れ様でした.来年もよろしくお願いします!

 

 

 

 

https://twitter.com/xfa273/status/1576576626334527489?s=20&t=Tr2_U9zKy-VY89eGewceWg

 

標準マウスのNucleo版を作ってみる <WMMCアドベントカレンダーDay15>

これはWMMC AdventCalendar 2022

adventar.org
の15日目の記事です.

 

0. お詫びとはじめに

 

本来アドベントカレンダーは登録日になった瞬間に公開するもののようですが,この記事は登録日が終わろうとする今公開されます.遅くなって申し訳ありません...

 

昨日はjudgeさんの

Ubuntu20.04でWeb面接環境を整える - judgeのブログ

でした.開発はUbuntuでやりたくても事務作業が不便なのはありがちな悩みなので,参考にしてみたいと思います.そういえば僕も最近AirPods Pro 2を買いました,スマホAndroidなのに.ノイキャンも外音取り込みもマイクも優秀で,通話とかにも便利ですよね.

 

1. WMMCの標準マウスって意外と作るのキツい...??

 

ご存知の通り?WMMCでは標準マウス ↓

が用意されていて,基本的に入会した人はまずこれを作って大会での完走を目指します.

モータドライバ基板のみプリント基板で,他はメイン基板とセンサ基板をユニバーサル基板で作ってケーブルで繋いでいます.
偉大な先輩方が設計しただけあって配線は割ときれいにまとまっていて交差も少なめですが,はんだ付け量はそれなりにあります.

 

自分は一応高校時代に多少ものづくり系の部活をやっていたこともあって3日ぐらいで動きましたが,1年生を見ている感じだとなかなか大変そうです.何かしらはんだ付けの経験があれば良いですが,未経験で不器用めな人だと配線が汚くてどこが悪いか永久に分からない全部が悪いんだよみたいな状態に陥りがちです.

それに,取り敢えず動いたとしても,はんだ付けや組み立ての汚い機体はセンサー値が不安定で制御しづらかったり真っ直ぐ走らなかったりと,大会完走へのハードルも高くなりがちです.

 

という訳で,昨日のjudgeさんも言ってましたが,最初はやはり機体が動いていて楽しくないと続かないので,もっと簡単な選択肢があっても良いかなと思ってプリント基板の標準マウスのような何かを作ってみましたています.

今回はこうして作ってみているプリント基板Nucleo標準っぽいマウスの紹介をしたいと思います.

 

↓ こういうやつです.



2. 簡単のための仕様を考える

 

WMMCの標準マウスの作るの大変ポイントは主に

・ユニバーサル基板のはんだ付けが難しい

・センサ基板は実装密度が高いのでなおさら難しい

・ケーブルが多いのでコネクタのカシメが難しい,特にセンサの10ピンXH

・底板と基板の固定に使うスペーサーが決まってないし穴位置が基板によって変わる

・センサのLEDとフォトトランジスタの光軸合わせが難しい,ズレやすい

あたりだと思います.僕は全然難しいと思ってなくてエアプなので他にもあったら教えて下さい.

 

ちなみに標準マウスの基板配線はこんな感じです ↓(センサ基板は一列ズレてるので注意)

 

これらを改善して出来るだけ大会完走までのハードルを下げるべく,以下のような仕様を考えました.

・全てプリント基板

・表面実装は無し

・カシメの必要なケーブルは最小限

・パーツ数が最小限

・センサの光軸合わせが簡単

・標準マウスとできるだけ同じ部品を使う

という感じです.究極的には誰が作ってもほとんど同じ性能が出るような機体にしたいですね.

 

3. 機体構成

 

これに従って具体的な構成を考えました.

メインボード

マイコン

標準マウスではマイコンとして石のSTM32F303K8T6を使っていますが,配線量を減らすべくNucleo32ボードに変更します.書き込み用のコネクタやレギュレータの一部はボードに載ってるものを使えば楽なので.

<モタドラ>

モータードライバは標準マウスと同じSLA7078MPRTを使い,配線も同じです.

<電源>

電源は3.3VレギュレータはNucleoのものを使うことにして,5VのDC/DCコンバータで作った5VをNucleoの5Vピンに入れます.

つまりLi-Po 3S(12.6V)→5V DC/DC→Nucleoの5Vピン→Nucleoの3.3V LDO→マイコン って感じです.

これが謎に面倒で,ただNucleoの5Vピンに5Vを入れても電源として認識してもらえない(RGB LEDは光るけど動かない)ので,試行錯誤の結果リセットスイッチのプルアップを100Ωにすることで動くようになりました.何でやねん.

まあ取り敢えず5Vに普通の三端子レギュレータを使っている標準マウスよりは発熱を大きく抑えられているようなので良しとします.

あと,Li-PoのGND側(逆接したときの+側)にダイオードを入れてるので,バッテリーを逆に挿しても死にませんなないはずです.いずれやってみます.

<インターフェース>

基本的には標準マウスと同じで,3つのスイッチでモード選択をして,その状態を3つのLEDで3ビット表示します.ただしそれだけだと走行中にLED見てデバッグとかがしずらいので,自由に使えるLEDを2つ追加しています.

あと,どうでも良いこだわりポイントとして,LED周りのスペースを広めに取ってあるので,3mmでも5mmでも好きなLEDが使えます.(標準マウスは3mm限定)
個人的には輝度高めの先端スモークのLEDがおすすめです.←学生大会でMCさんに宇宙船っぽいって言われた

<その他こだわりポイント>

・全ての素子の定数や極性をシルクで表示しているので多分なにも見ずにはんだ付けが出来る.

・パワーGNDとロジックGNDは分離して一箇所のジャンパで繋いでいる.ノイズ対策としてどれだけ有効かは知らんが...

 

センサボード

センサ周りの回路は標準マウスと全く同じですが,メイン基板の切り欠きに差し込んで直接はんだ付けするようにしました.

LEDとフォトトランジスタは基板に奥まで差し込んではんだ付けすれば勝手に基板に対して垂直になるし,基板自体の差し込みも1~2°程度の範囲でしか刺さらないので,取り敢えずぶっ刺してはんだ付けするだけで実用レベルの光軸調整ができます.

※横壁センサの角度は区画中心で柱を読む角度にしてます,それが無難ってどこかで見た気がするので.

 

底板

標準マウスでは5mm厚のアクリル板をレーザーカットしたものを底板にしていますが,分厚いのと割れやすいのが難点です.←大会前に割ってる同期がいた

自分は呼吸器を犠牲にして0.8mm厚のCFRP板を切って使いましたが,どう考えても他人には勧められる代物ではないでしょう.

 

という訳で配線のない虚無PCBで底板を作ることにしました.好きな形にできてシルクも入れられて5枚数ドルだし,ガラスエポキシ板なので頑丈です.

 

組み立て

 

WMMCの標準マウスはモーターを強力両面テープで底板に貼り付けて底板と基板をスペーサーで繋ぐという手抜き構成になっている(Miceのステッパーはちゃんとマウント使ってて関心した)ので,これを継承します.

ただし,その辺に転がってるスペーサーを適当に組み合わせて長さを調整するのは💩なので,長さぴったりで千石で売っている53mmのスペーサーを指定しました.

メイン基板とセンサ基板は繋がっているので,底板とメイン基板をスペーサーでとめればそれだけでOKです.

 

4. 取り敢えず出来上がった機体

 

これを実際に作った機体がこちら↓.

まあおおかた思った通りに出来上がりました.狙い通りはんだ付けも簡単で,自分はそこそこ丁寧にやって1.5時間ぐらいで終わりました.部品買い揃えながらだったのでかかった時間は不明ですが,材料が全て揃っていれば3時間ぐらいで完成すると思います.

 

学生大会前日に1年生に作ってみてもらったのですが,製作開始からそれなりに迷路を走るようになるまでちょうど(作業時間で)12時間でした.調整不足もあって残念ながら大会では完走できませんでしたが,学生会館の小さな迷路ではゴールまで走れていたので,もう数時間調整できれば...って感じでした.←そもそも前日に作り始める方が問題

↓ 2台並んだ記念写真的ななにか

 

自分が作った機体は一応スラロームと直線加速を使った最短走行まで成功し,学生大会では

https://twitter.com/xfa273/status/1597660247535280128?s=20

https://twitter.com/xfa273/status/1597660247535280128?s=20

https://twitter.com/xfa273/status/1597660247535280128?s=20

h

という成績でした.1年生の全日本の時より遅いパラメータなので微妙ですが,まあ入門機としてはこのぐらい走れば問題ないでしょう.もっと速くしたい人はスラロームの生成頑張るかオリジナルハード作ってくれ.

ttps://twitter.com/xfa273/status/1597660247535280128?s=20

 

5. 既知の問題点と改良ポイント

 

・Nucleoの謎にGPIOピンが2つ繋がっている仕様を回避すべくNucleo裏のジャンパ抵抗を外す必要がある.

せっかく初心者に優しく表面実装無しにしているのに表面実装剥がさなきゃいけないのはどうなの...って気がするのでピンアサイン見直して回避しようと思います.

・モータドライバのEnableピンがHighで励磁OFF,Lowで励磁ONの仕様なので,マイコンが動作していない時にモーターが励磁してしまう.

標準マウスも同じくですが,マイコンに書き込んでいる間やリセットボタン押した直後に無駄に励磁してしまいます.致命的ではないですがあまり気持ち良くないので,Enableピンをプルアップしたら直るんじゃないかな...多分...

・Li-Poバッテリーからの電源コネクタがXAなので変換ケーブルが必要.

面倒臭いし逆接しそうで危ないので,基板用のXT30を生やす方が良い気がしてますが,WMMC標準マウスとの互換性とどっちをとるか悩みどころ.

・基板のシルクが微妙に間違っている.

モーターのXHコネクタの向きが逆だったり100Ωが1kΩになってるところがあったりする.早く直せ.

 

6. おわりに

 

こんな感じで簡単に作れる標準マウスっぽい機体を作ってるよという話でした.先ほど問題点を挙げたようにもう少し改良してそれなりに満足いく機体になったら,WMMCの新入生が作る機体として標準マウスの他に第二の選択肢として出せるようにしたいと思っています.

CADやパーツリスト,組み立て手順なども追々ブログやサークルWikiで公開する予定です.

プロトタイプ状態でも良いから作ってみたいという人がいれば声かけてください,多少は基板の余りがあるので.

 

僕自身はもうステッパーを作ってる場合じゃなくてDC機を走らせろという状態ですが,残念ながら研究がクソ忙しくなってて全日本までにはなかなか厳しそうです.夏までサボってただけなので完全に自己責任であって弊研究室がブラックとかでは決してありません,誤解なきよう.

 

登録日が終わるギリギリでの投稿になってしまい申し訳ないですが,ここまでお読みいただいた方ありがとうございます.

 

明日(といっても数分後)の記事はぱわぷろさんの「開発するのは人かチームかロボットか? ~セルフ開発マネジメント~」です.
僕は脊髄反射でしかモノを作れないのでそういう事ちゃんと考えてるの流石過ぎますね,楽しみです.

 

自作イヤホンに使える格安BAドライバまとめ

最近Twitterでも自作イヤホンを始めたり興味を持ったりしている人をたまに見かけます.ぜひこちら側に来て沼に浸かっていただきたいものですが,ある程度満足いくクオリティになるまでに材料費がかさむのが厳しいという方も多いと思います.(僕もそうです常に金欠)

という訳で自作イヤホンに使える安いBAドライバを紹介していきたいと思います.なお,ここではAliexpressで買えるものを対象にします.Mouserとかだと高すぎるのと,タオバオとかは僕が使ったことなくて謎なので.アリエクのリンクも一応貼っておきますが,これが最安かは分かりません.一応どれも僕が買ったことあるセラーなので,商品が届かずに金だけ取られるようなことは無いと思います.

 

こちらは今回紹介する格安ドライバを使った自作イヤホンの作例

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左: RAD-33518+ED-26784+8mmDD   右: ED-29689+CI-30120×2

 

本当は周波数特性とかの測定データを載せて有名ドライバとの差を説明したかったのですが,条件揃えて測ったデータが見つからなかったのでお許しを...

 

※説明と画像が違う!?

アリエクで売っている格安ドライバだと商品の説明と画像(に書いてある型番)が一致しないことがしばしばあります.この場合,僕の経験上では画像を全面的に信用すべきです.例えばこれ,商品タイトルにGQ-30783と書いてあっても画像がED-26874ならEDが届きます,騙されないように...

2 個ノウルズ GQ 30783 バランスドアーマチュアドライバー iem デュアル受信機スピーカーフルレンジ周波数|Connectors| - AliExpress

 

中古再生品っぽいもの

実際買ってみると分かりますが,アリエクで売っている激安ドライバの多くは多分正規の新品ではないです.筐体に細かい傷があったり緑の塗料のような何かが付いていたりして,恐らく何らかの中古品だと思います.しかし少なくとも僕が買ってみた中では明らかに壊れているものはなかったので練習用としては十分なはずです.

 

Knowles CI-30120

ペア ¥400~700

AIYIMA 2 個ミニダイナミック鉄ホーンスピーカー CI 30120 補聴器スピーカー低周波耳スピーカーバランスアーマチュア受信機|Portable Speakers| - AliExpress

恐らくペアで売っているBAドライバとしては最安値で,しかもKnowles製.既製品でも広く使われているCI-22955に近い低中域用ドライバで,多少の違いはあれど同じように使える.音以外の主な違いは

・センタータップが無い

・スパウト位置が中央寄り

なことで,特に後者は2つまとめて使うときにチューブの取り付けがやりにくい欠点に.とはいえCI-22955の1/5程度のお値段で似たような特性のBAが買える訳で,非常にコスパは良いと思われ.

 

Knowles DTEC-31116/HODTEC-31323

ペア ¥1100~1600

アーマチュアヘッドホンユニットスピーカーDTEC 31116 アーマチュア複合低周波数diyアーマチュアユニット|Building Automation| - AliExpress

中低域用のデュアルドライバとしては最安値っぽい.特性は普通にDTECやHODTECのそれ,そもそもDTEC/HODTECは単体でウーファーに使うには低域の量が少なめで若干使いにくい感じはある.低域にハイカットした他のウーファーを入れる場合や低域スッキリ系で作りたい場合に良いかと.位相的にもWBFK系と相性が良いので多ドラ練習機を安く作るのに良さげかも.

 

Knowles ED-26784

ペア¥600~900

2 個ノウルズ GQ 30783 バランスドアーマチュアドライバー iem デュアル受信機スピーカーフルレンジ周波数|Connectors| - AliExpress

安く買える数少ないED系ドライバだが,定番のED-29689と違って高域はほとんど出ず,ED-30761のように低域が多い訳でもない.中域しか出ない珍しいタイプのドライバだが激安なのでウーファーとツイーターの間が上手く繋がらないときの調整に使えそう.位相的にはWBFK系と相性良し.

 

Knowles GR-31587

ペア¥1000~1500

Aiyima ミニスピーカーGR 31587,ダイナミックアイアンホーン,補聴器,高周波,バランスドアーマチュア,2個|Portable Speakers| - AliExpress

中華イヤホンの既製品(ちょっと前のHCKブランドのとか)でたまに見かける中高域用デュアルドライバ.デュアルだがちょうどEDと同じ大きさで,特性的にもED-29689の高域を弱めたような感じ.単体で中高域用にすると高域少なめのカマボコ特性に,ツイーターとしてWBFK系を追加すれば優秀な中域ドライバとして,非常に使いやすいと思います.位相的にも色んなドライバと合わせやすいです.ただしデフォの配線が直列で能率低めなのとパッドが貧弱で剥がれやすいことに注意.

 

普通に安いKnowlesドライバ

Knowles RAD-33518

ペア¥800~1300

2pcs RAD 33518 p183 knowles baドライバーバランスドアーマチュアレシーバースピーカー高周波|Ear Care| - AliExpress

FiiO FH3やTRN TA1などに使われている高域用ドライバで,定番ツイーターのWBFK-30095とおおよそ同じもの.P-183は配線済みバージョン.FiiOがライセンス生産しているものという未確認情報がある.ツイーターという割にはピークが低めのところにあるので使いやすさは微妙な気がするが,まともなツイーターとして最安値なので練習用にぴったり.高級機でもVE6などはツイーターにWBFKを使っているので上手くチューニングすれば完成度の高い多ドラが作れるはず...?

 

Knowles RAF-32873

ペア¥800~2000

Knowles バランスの取れたアーマチュアドライバー,スピーカーレシーバー,補聴器用のシングルおよびフルレンジ,2個,RAF 32873| | - AliExpress

割と有名なRAB-32257に近いフルレンジドライバで,フィルタ付きのバックベントがある.P-183は配線済みバージョン.取り敢えずこれをフィルタなしで載せるだけでまともな音のシングルBAイヤホンが作れるので超お手軽練習機としておすすめ.シングルBAだとER-4Sに習ったED-29689が思い浮かびがちだが,フィルタや抵抗などを工夫しないと微妙な音になるのでこちらの方が扱いやすい.まあまあ低音も出るが高域はイマイチ伸びない.タイミングによって価格差が大きいので安い時にまとめ買いすると良いかも?

 

非常に怪レいLSのドライバ

https://www.aliexpress.com/store/5790619?spm=a2g0o.9042311.0.0.27424c4dyJRFrv

アリエクのセラー「langzisheng Store」ではKnowlesの型番から一文字ずらした型番を名乗る謎ドライバが多数販売されていて,刻印が全くないので正体は何も分からない.取り敢えず音は出るしとても安価なのでネタ枠や練習用に買ってみるのは有りだと思うが,同じ型番のものでも買ったタイミングで特性が違ったりするので,あくまで怪レいモノだという前提で買ってみて欲しい.ちなみにこの店では音響フィルタも売っていて,こちらは品質が安定していて送料が安いので割とおすすめ,ほとんど毎回おまけも付けてくれる.

以下ざっと型番の紹介

・EI-22955: 超定番CI-22955のパチモン.特性もほぼ同じだがベント穴があってちょっと低域が多め.

・TWEK-30017: 超定番TWFK-30017のパチモン.特性がほぼ同じものと全然高域が出ないものの2パターンあるっぽい.

・DWEK-31736: DWFK-31736のパチモン.買ったことないけどDWFKの練習用に?

・EG-29689: 超定番ED-29689のパチモン.BRC29689とどっちがまともなんだろう?

 

安そうで安くないBellsingドライバ

KZやTRNなどで使われていて安価な中華ドライバとして有名なBellsingドライバだが,Bellsing刻印のある正規のBellsingドライバは意外とちゃんとしているし,意外と高い.触ったことのあるBRC-29689,BRC-30095,BRC-32257はどれも本家とほとんど変わらない周波数特性を持っていて,音も多分ほとんど同じ.(バカ耳なだけ説

しかし値段も本家とそこまで変わらずBRC29689が1000円ぐらいで買えるときなら有りかも?程度.安いの見つけたら買って良いと思うが全然見かけない...

 

まとめ

以上が僕がある程度把握しているアリエクで売っている格安ドライバです.自作イヤホン・カスタムIEMではどうしてもクオリティが上がるまでの練習期間に沢山のドライバを無駄にしてしまうので,こうした格安ドライバを上手く活用して少しでも節約しながら上達すると良いと思います.

ちなみに僕のおすすめ構成はCI-30120×2+ED-29689です.ドライバ代3000円ぐらいでびっくりする程ちゃんとした良い音が出るはずです,ぜひお試しを.